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信用取引

(一般)
しんようとりひき

商品を売買するために必要な資金や、売買したい商品そのものを他人から借りて行う取引。資金の少ない個人投資家に大きな金額を動かす機会を与えたり、売りから入ることにより投資戦略を増やすことができる取引手法。現物が売買できない場合のつなぎや、リスクヘッジに用いることもできる。株式や外貨などで取引できる。

株式の信用取引

証券会社または証券金融会社から現金または株を借りて取引を行う。現金を借りて株を買うことを「買建て」、株を借りてそれを売ることを「売建て」と呼ぶ。それぞれ取引手数料のほかに、買建ての場合は借りた現金に対する金利、売建ての場合は借りた株に対する貸株料が必要。売建ての場合は逆日歩が生じる場合もある。現物取引と違い、買建てにより手に入れた株や売建てにより得た現金は現金または株の貸手が担保として保管する。投資家の手には渡らない。

現金や株を借りて取引をするため、それらはいつか決済しなければならない。通常、買建てまたは売建てた日から起算して一定の期日までに決済しなければならない*1。決済には2つの方法がある。

反対売買
建てた時と逆の売買を行う。すなわち、買建ての場合は建てた株を売り、売建ての場合は売った株を買い戻す。損失が出ているにもかかわらず反対売買をすることを、買建ての場合は「投げる」、売建ての場合は「踏む」*2と呼ぶことが多い。
現物決済
買建てた場合は、建てた株の代金を現金の貸手に支払い、建てた株を引き取る。売建てた場合は、売った株と同じ銘柄、同じ株数の株を貸手に返し、建てた現金を引き取る。この場合、金利などを除けば買建てないしは売建てた金額で現物取引を行ったのと同じ事になる。買建ての場合は「現引」や「品受」、売建ての場合は「現渡」や「品渡」とも呼ぶ。

買建てにかかる金利、売建てにかかる貸株料、決済までの期日などを総称して、信用取引の条件と呼ぶ。取引所が定めた条件での信用取引を制度信用取引、証券会社が定めた条件での信用取引を一般信用取引と呼ぶ。

現金や株を借りるための裏打ちとして、あらかじめ決められた評価額を持つ資産を委託保証金として用意しなければならない。委託保証金には現金のほか、株などの有価証券も利用できる。ただし、有価証券については評価額全額ではなく、それをある程度割り引いた額が保証金になる。委託保証金の金額が買建てた株の評価額や売建てで得た現金の金額を著しく下回った場合には追証が生じる。

証券取引所、証券会社、証券金融会社は、決済されていない買建てや売建ての株数や金額をそれぞれ買い残(融資残)、売り残(借株残)として随時公表している。買い残や売り残はいつか決済しなければならないので、主に数カ月単位で将来の相場を読む上でのヒントになる。

株式の信用取引は大きな資金を動かせるため、取引が過熱して値動きが激しくなることがある。この場合、証券会社や証券取引所は銘柄ごとに委託保証金の引上げ、買建てや売建ての停止、現物決済の停止などの規制措置をとる*3。一方、規制措置がとられると投資家からは嫌われるため、あっという間に手じまいされてしまい、結果的に値動きが荒くなることもある。

配当のある株式を買建てまたは売建てたまま配当金受取権利付最終日を超えた場合、配当金相当額の調整が行われる。買建ての場合は配当金相当額を受けとる。売建ての場合は、配当金相当額を支払わなければならない。これらは現物株式の配当金とは異なり、株式の譲渡損益として扱われる。また、買建てていた株に対し増資によって新株が発行された場合、新株引受権の価格に相当する金額を受けとることができる。これらの調整をまとめて権利処理と呼ぶ。

関連キーワード

  • 資産
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  • 日本株

*1:松井証券などのように、一般信用取引の仕組みを用いて期日のない信用取引を提供する証券会社もある。

*2:大阪では「ケツを入れる」と呼ぶこともある。

*3:取引過熱以外に、買建てを中心とした株の買い占めがあった場合にも規制措置がとられることがある。もし買い占めのために買建てた株が、反落を予想した売建てが増えたところですべて現引されてしまうと、急に株不足になり大きな逆日歩が生じる。このため売建てた株を踏む動きが広まり、株価がどんどんつり上がる。これは俗に「玉締め」と呼ばれている。

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