朝起きてから1、2時間以内のフレッシュな脳味噌で書き物をしたい。長年そう願いながらも、一年に数回しかそんな状況を生み出せずにいる。ならば仕方がない。絶えず、読む。絶えず、書く。せめて心がけだけでもそうあらねば。こんなふうに考え始めたのは、修士2年の頃だったと思う。 狂言の観覧が徐々に定着したのはよいことだが、それを支える知識が圧倒的に足りない。伝統芸能に関する基礎的な文献に目を通すだけでも、残酷に時間は過ぎてゆく。そのうえ、主軸とすべき「道化」や「笑い」といった概念もまだまだ勉強不足。関心が広がるのは素晴らしいけれども、いったい何をどこまで学べばよいのやら、日々焦っていた。 ICUは3学期制で…