まず、今ならもう少し話題になっていた新書なのではないか、という感想である。20年前の新書である。『どこまで続くヌカルミぞ 老老介護奮戦記』(著:俵孝太郎 文春新書)は、老老介護における身体的・精神的苦労、そして家族との絆や愛情あってこそ、といった体験談やアドバイスを綴った本ではない。どこまで続くヌカルミぞ―老老介護奮戦記 (文春新書)作者:俵 孝太郎文藝春秋Amazon親子の軋轢、兄弟との諍い、嫁・姑問題⋯著者はこれらを自身の『ボヤキ』と称しているが、読めば「世の中あるある」の内輪揉め大暴露なのである。存命の親族・家族もいるだろうに、よくここまで赤裸々に書いたという内容だ。著者の父親は戦前から…