『三国志演義』の劉備(りゅうび)は詩を作らないキャラクターです。『三国志演義』第三十四回で、劉備のことを邪魔だと思っていた蔡瑁(さいぼう)が劉備の詩を偽造して劉表(りゅうひょう)に見せ、あいつはあなたに背く気ですと讒言(ざんげん)した時、劉表は「玄徳(げんとく)と長い間いっしょにいるが、彼が詩を作ったところは見たことがない」と言って讒言を信じませんでした。 画像:横山光輝「三国志」(潮出版社)第20巻79ページ 『三国志演義』ではあいつが詩を書くなんて信じられねぇよォと劉表に思わせた劉備ですが、『三国志演義』より前に成立した『三国志平(へい)話(わ)』では劉備はいくつか詩を詠んでおります。 本…