かつて、年齢構成がピラミッド型だった時代には、店主の年齢が上がるにつれて、お客さんの数も自然と減っていくのが常だった。 年を重ねることは、商売の終わりを静かに告げる合図のようでもあった。 けれど、今は違う。 高齢化が進んだこの社会では、私の年齢が上がっても、お客さんの数はそれほど減らない。 むしろ、変化の中に、穏やかな追い風を感じることさえある。 私は、和歌山市のお城の近くで「エカワ珈琲店」という屋号のもと、自家焙煎のコーヒー豆を専門に扱う小さな店を営んでいる。 昔ながらのパパママストア、規模は零細、けれど、手間と信頼を大切にした商いだ。 主なお客さんは、私と同世代か、前後10歳ほどの方々。長…