先日、だらだらしているときに、本棚から前嶋信次『玄奘三蔵ー史實西遊記ー』(岩波新書、1952)を、ふと取り出して読み返しました。中央アジア史の大家による、歴史上の人物としての玄奘三蔵伝。 今から70年前の新書で、10年以上前に古書店の安売りのワゴンに100円で出ていたのを買ったもの。 今の歴史研究からみてこの本がどう評価されるのかはわかりませんが、かなり面白いです。こういう、気ままでいかにもヒマ人な読書は最高。 そもそも、玄奘(げんじょう、602~664)は実在の、唐の時代の中国の僧侶です。「三蔵法師って本当にいたんだ」という人と話したことがあるので、念のため。その歴史上の人物が、小説『西遊記…