心理学的な「解離」の病態については諸説あり、そのひとつには「スペクトラム」の概念を援用するものがある。 心身の解離から解離性同一性障害まで、解離という現象を一連のスペクトラム(連続体)でとらえる考え方がある。(藤岡孝志, 『不登校臨床の心理学』, 誠信書房, 2008, p.45) 解離性同一性障害はいわゆる解離と呼ばれる症状の中ではかなり重い部類のものとして捉えられるが、そうした「程度」の問題というのには多種多様な困難がある。例えば、それらの程度を「アナログ信号」として捉えるか、それとも「ディジタル信号」として捉えるか……その如何によってそうした「量」への印象は変化してくるだろう。私たちの住…