ラストで繰り返された、主人公とユダヤ人との会話で、全てが腑に落ちる。 不条理どころか、因果応報ではないか。 ナチスドイツの占領下のパリ。ユダヤ人への圧力が増していく中、窮したユダヤ人から絵を買いたたき、いい暮らしをしている美術商のクライン(アラン・ドロン)。愛人のほかに、どうやら友人の妻とも懇ろだったようだ。 そんな彼と同姓同名のユダヤ人がいることがわかり、そのユダヤ人と間違われたクラインは、ユダヤ人としてホロコーストの恐怖に追い詰められていく。 ラストシーンで繰り返された会話は、物語の始まりのほうで、絵を売りに来たユダヤ人の客とクラインの会話。客が希望する額の半値でクラインが絵を買うシーンだ…