恥ずかしながら「傘鉾(かさぼこ)」という言葉を最近になって知った。佐伯地方のある海辺の集落の地元民との会話を通じて”盆踊りの習俗”の中に偶々それを発見したのである。 京都の祇園祭の「山鉾」なら知っている。もっとも「山」と「鉾」の違いは知らなかった。本来、疫病を追い払う呪術的意味を持つのが鉾で山は後から登場した見せ物らしい。「山車(だし)」となってくるともう混乱の極みだが、こちらは山鉾の総称として使われている。実は祇園祭には傘鉾も出て来る。「四条傘鉾」と「綾傘鉾」である。葵祭の行列に出てくる「風流傘」も傘鉾ということになる。ただ同じ傘鉾でも盆踊りと祭とでは意図するところが違うのである。 傘は天蓋…