秋晴の生駒山、十三峠を越えました。 奈良県の元山上口駅より、畑の畝に季節の花々が咲き揃う、緩やかな道を登ります。一時間近く歩くと、自動車道路の交わる峠です。 昔からの尾根径に地蔵石仏が祀られています。 江戸時代の作ですが、数多の旅人を想い、暫し悠久の時を味わいます。 峠から八尾市街に向かって山道を下りと、小振りの端正なお堂の横手に下り立ちます。大子堂です。その傍らには大師御休息巌があります。 もう少し下った処が、水呑地蔵院です。 弘法大師は、喉の渇きに苦しみながら急坂を登り、十三峠を越える旅人の苦労を和らげようと、錫杖を岩に突き立て真言を唱えました。すると岩の隙間から清水が湧き出て、この水は濁…