「100円でポテトチップスは買えますが、ポテトチップスで100円は買えません。あしからず」 そんなユニークなテレビCMで藤谷美和子がデビューしたのは、まだ彼女が13歳の時である。 その後、人気ドラマ「ゆうひが丘の総理大臣」「池中玄太80キロ」に出演し、人気スターの仲間入りを果たした。 しかし、そんな彼女の様子に変化が現れ始める。 1986年のことだ。 脚本を井上ひさし・山田太一・朝間義隆、製作は野村芳太郎、そして山田洋次が監督を務める松竹映画の大作「キネマの天地」でヒロインに大抜擢されると、4月28日に製作発表記者会見に臨んだ。 そこで藤谷は業界のお歴々を前にして、 「眠いの、眠い。疲れちゃっ…