「裏庭のヒマラヤ」。何のキャッチフレーズか広告か覚えていない。登山道具メーカーだったのか登山道具店だったのか。登山雑誌の広告か、カタログに書かれていたのかポスターか、ウェブサイトかもわからない。山はいつも身近にありますよ、そんなことを言いたかったのだろう。山好きにとり山が近いのは嬉しい。なかなか良く出来た台詞に思える。しかしヒマラヤが裏庭とはどんな処なのだろう。ネパールか、パキスタンか。 山道を登りながら考えた。あ、そうかここは裏庭の八ヶ岳だ、と。自分の住む街の駅舎は五、六年前に新しいものに建て替えられた。如何にものどかな昔の駅舎が好きだったが、近代的な駅舎内にはエレベーターもあり駅そば店から…