前回(2024/6/24)に引きつづき『猿丸集』歌の再確認をします。今回は第38歌です。 1.経緯 2020/7/6より、『猿丸集』の歌再確認として、「すべての歌が恋の歌」という仮説を検証中である。12の歌群を想定し、3-4-37歌まで、すべて類似歌とは異なる歌意の恋の歌であることを再確認した。歌は、『新編国歌大観』より引用する。 2.再考の結果概要 3-4-37歌 ① 『猿丸集』の第37番目の歌及びその類似歌と諸氏が指摘する歌は、次のとおり。 3-4-37歌 あきのはじめつかた、物思ひけるによめる おほかたのあきくるからにわが身こそかなしきものとおもひしりぬれ 3-4-38歌の類似歌1-1-…