八幡宮は全国どこにでもあり、自分の町にもある。 全国一、二の神社数を誇る八幡神と稲荷神だが、その祭祀を創始したのは秦氏だと伝わる。 しかし八幡神を奉斎した秦氏と、稲荷神を奉斎した秦氏は、はたして同じ秦氏だったのだろうか? というのが、今回のテーマである。 八幡神は伝承で「新羅の神を祀る」とされているが、聞くところでは八幡神を祭祀した秦氏も山背の葛野秦氏の一流だという説もあるそうだ。つまり、祖先が弓月君である。 しかし『日本書紀』によると弓月君らの秦氏は3年ほど加羅国に留め置かれてはいるが、百済からやって来た集団(百済人ではないが)で、元からの新羅の住民ではない。新羅の神を祀る理由はないと考えら…