■ 絵画等のこと㉒ 2024年6月2日まで八王子市夢美術館で開催中の「川瀬巴水 旅と郷愁の風景」を拝見したので、感想を記す。 www.yumebi.com ● 川瀬巴水 旅と郷愁の風景 のこと そもそも川瀬巴水は1883年、現在の港区新橋の糸屋の跡取りとして生まれた。周囲の反対があり、画業に専念したのは家業が傾いた25歳頃と、遅い出発だったよう。 鏑木清方の門下として美人画に取り組むが、木版画の版元である渡邊庄三郎に見出され、風景版画に軸足を移す。やがて江戸浮世絵の流れを汲む新版画の旗手として、版元の渡邊とともに脚光を浴び、国内外から高い評価を受けるように。 1923年の関東大震災では自宅が全…