有機農家を育てる研修農場をNPO法人として運営した経験は貴重だった。12年間で20余組の新農家を送り出すことができたのは、多くの人の参加と支援があったからだ。個人活動ではとても無理だった。新農家育成もさることながら、その過程で数千名に及ぶ人々がこのNPO農場を利用してくれたのだが、これが実は最大の成果だったと思う。 開かれた農園、公共の福祉に貢献する農園、参加型農園に期待する市民は多い 農産物生産を担うのは、今後も個人農家や法人経営が主力であり続けるだろう。だが、そうじゃない農の形があってもいいんじゃないか。現に福祉施設が運営する農場、幼稚園や保育園付属の農園、市民参加の体験農園、農家の水田や…