「転注も視野に入れております。」という言葉は大企業資材部の殺し文句だ。 「転注」とは注文を転じる、つまり取引を打ち切るという意味に他ならない。大企業からの継続的な受注を前提に生産している中小企業にとってこれほどきつい言葉はない。 私の依頼者は中小企業なので、こうした言葉によって脅かされる例を時々経験する。合理化につぐ合理化を求められ、工賃あるいは下請代金が割に合わなくなってくることがある。とても採算が合わないというので親事業者に値上げを求める。そうすると、「転注も視野にいれおります」などと言ったりする。 そんなことでは「うちの会社はつぶれてしまう」などと言っても、ひどい資材部担当者になると「つ…