関西に移住したとき、食習慣がいろいろ違って、驚いたり、首をかしげたりしたものだ。 最も驚いたのは恵方巻。平成初頭のことで、そんなもの郷里にも、それまで住んでいた東京にもなかったから。それが、いつの間にやら全国区の風習になってしまった。自分は絶対に食べない。 それで紅生姜の天ぷらだ。なんでこんなもんを作って売る?と思ったものだ。紅生姜の天ぷらってば、自分のイメージとしては関西の公設市場に入ってる惣菜屋さんが売るもの。 さて『吉兆味ばなし』に、こんな記述がある(旧版p.177): 昔は一戔揚げといって、おそうざい屋さんで、ごぼう、れんこん、さつまいも、紅しょうがなどを、ジャーッと揚げて売っていまし…