「疎外」って、実はすごく単純なこと 難しい哲学用語のひとつに「疎外」という言葉があります。でも、吉本隆明が語った「疎外」をシンプルに言えば、「自分が作ったものに、自分が縛られてしまうこと」。 スマホを便利だと思っていたのに、気づけばスクロールが止まらない ルールや数字に従ううちに、自分の気持ちを置き去りにしてしまう こういう状態がまさに「疎外」なんです。 吉本は講演「芸術と疎外」(1964年)で、こんなことを語りました。 人間は、自分が作った仕組みに支配されている。それに気づかないかぎり、本当の表現も思想も生まれない。 鎌倉で見つけた「飛躍」の瞬間 吉本は「芸術」こそが疎外を超える力になる、と…