ネタバレします。 『張込み』1955年12月号「小説新潮」 映画はもう何度も観た作品である。 この作品で清張は女性に強い同情をしている。 確かに彼女は年の離れた吝嗇の夫から苦しい束縛をされ愛情の無い窮屈な毎日を送っているが度を越した折檻や理不尽があるわけではない。 それでも清張氏は彼女の人生が無味乾燥であることに優しいまなざしを送り昔の恋人との再会にそれまで老けた様子だった彼女が見違えるように恋情に燃えているのだと描く。 長い間松本清張に接してこなかった私は驚いた。 松本清張こそ「フェミニズムの作家」であると思うのだが世間ではそうした評価はされていないのが不思議である。 ただの家事奴隷として再…