概要 評論・小説・古文・漢文の形式は例年通り。「複数テクストの参照」があったのは評論と古文。評論の設問はテクストの引用において同じ著作物でも引用者によって異なる主題の論理展開に使われるということが示された。古文は連歌がテーマなのだが、一つの作品を理解するために同じ著者による同じテーマを扱った別の作品を読んで理解の一助とすることが扱われた。小説は戦後不況を扱う作品だが、出題者コレ令和衰退期の日本との類似性を示唆してるでしょ?(日本式雇用慣行が成立する以前の昭和敗戦期とそれが崩壊して以降の令和衰退期・資本主義による労働者搾取)。漢文は中国の官吏登用試験に白居易が自分で予想問題を作り自分で模擬答案を…
複数資料の参照、思考過程のプロセスの可視化、メタ認知などが一層重視されるようになりました。個人的に注目すべきポイントだと思う箇所は2つ。一つ目は知識の陳腐化を前提として設問を作ってきたことです。これまでは語彙力や作品の時代背景などの知識は問題を解く上での前提とされ、それを用いて問題を解いていました。しかし近年スマホの普及により知識は調べれば良いものとなり、知識の有無は問われなくなっていきます。寧ろ調べた知識を「どう使うか」の方が社会を生きる上で必要となったのです。このような状況に対応するため、共通テストではあらかじめ語彙を提示し、それを使って問題を解くという行為を求めてきたのです。これは受験国…