自分の事で恐縮だが、ぼくの社会人生活は証券マンとして始まった。平成3年4月の事で、既にバブルは崩壊していた。平成元年の12月末に史上最高値38,915円をつけた後、入社前年の10月1日に日経平均株価が急落し、一時20,000を割った。その日は内定式の日だったが、証券マンの先輩達は自嘲気味に「不況業種へようこそ」と笑った。 入社後の研修の中で「自分が良いと思う会社の株を推奨する」という時間があったのだが、自分の番が来たときに「これから3年から5年は株式が下がると思うので、ぼくは株式を勧めたくありません」と言った。まあ、自分も若かったと思う。研修の教官からは、「おまえ、何で証券会社に入ってきたんだ…