正式決定の手続きはなされていないが実質的に決定されていること。単独で用いられる場合は通常、被雇用者の雇用決定についての内定を意味する。
すなわち就職活動の結果、新卒の身分であれば、企業が「あなたは来年からうちに来てくださいね」と約束すること。転職の身分であれば「あなたの雇用を正式に約束します」という意味。
裁判所の見解では,採用内定は「始期付解約権留保付労働契約」と呼ばれる.つまり,「来年の4月1日から働きはじめる」という始期が設定されており,さらに,「『卒業できなかった』,などの,あらかじめ取り決めてあった取り消し理由があれば解約できる」という解約権留保がついている労働契約であると考えられる.*1 *2
民法627条によれば,雇われる側から労働契約を解除することは,2週間の予告期間を置くことで可能である.
雇われる側の方が立場が弱いので,原則としては仕事をやめることは自由であると言える.
ただし,あまりにも信義則を欠く形で解除がなされた時は,例外的に不法行為責任などを問われる可能性はあるが,通常の内定関係にすぎないのであればそのような問題はないと考えられる.
裁判で主に争われるのは,企業側からの解除である.これは「解雇」と同様かそれに近いくらいの厳しい制限が加えられる.