災害の芽を摘む 私は一時期、ヒッピー的生活に憧れ、その種の人脈作りに励んでいた。その頃知り合った女性と恋愛関係に陥ったが破綻し、彼女は別の男を選んで、日本の長野県の山奥でヒッピー生活を始めた。出版社に勤めていたことのある彼女は、そのころ死んだヒッピー仲間の追悼文集の編集を行った。私もその本「足に土」を一冊買ったが、出来は散々で、その男を慕うヒッピーたちの雑文を寄せ集めただけの本だった。私は彼女に手紙を書いた:「こんな本は、本と呼ぶに値しない。彼が優れているらしいことは認めるが、どんな業績かを社会に訴えることが書けなくては客観的な本とは言えない。貴女は、出版業界で何を学んだのか?」と。彼女はこの…