地平線一面に拡がった青い海、南洋の動物、植物、豊富な果物、夕陽と島々の姿、密林、未知の現地の人々、マングローブの林。130年以上前の日本にも南洋の自然や風物に関心と興味を持った人々がいたことは間違いない。 鈴木経勲は生涯8度の航海に出かけ、太平洋の島々を訪れた。明治の南洋探検家の先駆者として知られている。彼は外務省に出仕(御用掛として明治11年~明治19年)、探検家・著述家を経て、従軍記者になり、その後は保険会社で働いた。大正・昭和に入り、南進論が現実化していくと、新聞雑誌に寄稿したり、インタビューを受けたりした。昭和13年84歳(85歳?)で亡くなった。死後、彼の業績を讃える伝記『太平洋探検…