茨城県友部町(現在の笠間市)で起きた女性教諭殺害事件について記す。 朝日新聞記者、テレビ朝日報道局次長などを歴任し後にノンフィクション作家となった足立東氏による『逆転無罪 友部小学校女教諭殺人事件の真相』(日本評論社)に依拠する。 教室の遺体 1964(昭和39)年11月30日(月)7時40分頃、茨城県西茨城郡友部町の友部小学校6年4組の教室で女性教諭の遺体が見つかった。 第一発見者はクラスで最初に登校してきたMくんで、宿直明けだった6年3組担任の福本一夫教諭(32歳)に「女の人が倒れている」と異変を知らせた。遺体は鼻から血を流し、顔はむくんで変貌していたが、同年春に赴任した6年4組担任の綿引…