ストーカー 川端康成の「みずうみ」はストーカーが主人公なんだよ。変態小説ですぅ。 では、なぜ川端康成は、そのような小説を書いたのでしょうか 処女作の祟り 川端康成 一高の「校友会雑誌」に「ちよ」という小説を出した。これが僕の処女作である。 その頃一高の文科生の間には三越や白木屋の食堂へ女給を張りに行くことが流行していた。僕等は毎日それらの百貨店に通って、珈琲(コーヒー)や汁粉を飲みながら食堂に二時間も三時間も坐っていた。 僕等は名も知れない女給を胸に附けた番号のドイツ読みで呼び、大きい眼が腺病質に潤んだ青い少女を花札になぞらえて「青丹」と呼んだ。三越の十六番(ゼヒチェン)と白木屋の九番(ナイン…