解答例 第1 設問1 1 小問1 (1) 罪証隠滅のおそれについて(刑事訴訟法60条1項2号) ア 「罪証隠滅のおそれ」とは、証拠に対する不正な働きかけによって、判断を誤らせたり、捜査や公判を紛糾させたりするおそれがあることをいう。罪証隠滅のおそれの有無の判断にあたっては、①罪証隠滅の対象②罪証隠滅の態様③罪証隠滅の客観的可能性④罪証隠滅の主観的可能性から判断する[1]。 イ 本件の罪証隠滅の対象は、Aの犯人性である(①)。罪証隠滅の態様としては、Wに対して接触し、供述を変遷させるよう働きかけるというものが考えられる(②)。弁護人は、ⓐAの両親の誓約書によって「Aに事件関係者と一切接触させない…