刑部芳則『セーラー服の誕生 女子校制服の近代史』(法政大学出版局, 2021年)という本を読んだ。制服マニアが歴史学と史料の正しい取り扱い方を身につけるとこうなるという好例である。これまでの制服研究があまりにも実証性を欠いたものであると強く批判し、全国に900あまりあった高等女学校のほぼ全てについて記念誌を閲覧したり現地に飛んで史料を見せてもらったりという所業をしてまでこの本を作り上げようという著者の姿勢にはただただ感服、脱帽するばかりである。だから「挙母高女」が「誉母高女」になっている、「八日市場敬愛高女」が「八日市敬愛高女」になっているなどというしょうもない誤字の指摘などをしてはいけない(…