家を出た日から 旦那に対する恐怖が消えたわけではなかった。 出る前のそれとは違う恐怖 二度と顔も見たくない 声も聴きたくない 言葉も読みたくない でもずっと 買い物行って、出くわすかもしれない 電車に乗って、見かけるかもしれない 道を歩いてて見つかるかもしれない 気づかぬうちに尾行されているかもしれない 探偵に調べさせてるかもしれない 住所を知られて押しかけてくるかもしれない 文句言われたり恫喝されるかもしれない 血が上って殺されるかもしれない かもしれない恐怖に支配されて怯え続けた。 旦那が遠くに引っ越したのがわかった今も 前のアパートの近くには行けない 調停が始まって 旦那が同じ建物にいる…