山岸俊男監修『社会心理学』(19) 今回は、第3章 社会の中の個人 のうち、認知的不協和理論 の続きである。 「認知的斉合性理論」の代表的なものに、「認知的不協和理論」と「バランス理論」があるとされる。私は、認知的斉合性理論を「辻褄が合わない事柄に対して、辻褄が合うように認知/態度/行動を変えようとすること」(辻褄合わせの理論)と理解した。 前回引用の科学事典は、「態度や信念を変えてまで一貫性を維持しようとする欲求はどこから生まれてくるのかという問題は、社会心理学における重要なテーマである」と言っている。今回は、この問題についてみていくことにする。 科学事典は、一貫性を維持しようとする要因(欲…