「進むも地獄、退くも地獄」という言葉がある。私は好きではない。「前門の虎後門の狼」も同じだ。どっちを選んでもイバラの道なのだ。これでは逃げ場がない、出口がないではないか。せめてどちらかに行けば少しは展望が開けてほしいと思うのが人情だ。だが、7月に開会が迫った東京五輪は残念ながらこの言葉が似合ってしまうのだ。 国際オリンピック委員会(IOC)は、東京五輪に参加する各国の選手団に米ファイザー社製新型コロナウイルスワクチンを日本国民とは別枠で提供することを突然発表した。4月に菅首相が訪米しファイザー社のCEOと電話会談した際、ファイザー側から提供の申し出があったというが、今頃の発表は裏がありそうで私…