以下の文章は、23/09/01に初公開したものです。若干手を加えた上で、「創作ノート」の一環として再公開いたします。 * * * 連作創作「熾火」の執筆以降、なかなか説明する機会を見つけられないでいた「熾火」(おきび)の語義について、今回は書いてみようと思います。 「おきび」にはもう一つ、「燠火」という書き方もあります。私が最初に見かけていたのは、こちらの表記であったことがわかりました。この2つ、どちらも炭火に関連する言葉なんだそうですが、意味は少し違っています。 ①熾火 火勢が強くて赤く熱した状態の炭火のことで、「おきび」ともいう。 ②燠火 薪や炭が燃え尽きて白くなりかけた状態のことで、「お…