春祭りの夜に ――それからあっという間に数か月が経っていた。 フォカレは週に一回程度のペースでお店に顔を出しては売り上げの相談をしたり、たまにお店を手伝ってくれたりしていた。彼はナッツ類が好きなようで決まってアーモンドミルクラテを飲んで帰っていく。 ここ最近は雨がしとしとと降る日が続いていた。 いつもよりも早く客が落ち着いたところでローズはずっと気になっていたことをさりげなく聞いてみた。「オーナーは普段はなんのお仕事をされているのですか?」 フォカレはカップを口に運ぼうとしていた腕がぴたりと止まり空気が凍り付いた気がしてローズは聞いてはまずかったかな、と息をのむ。近くで落雷の音がして、店の中を…