その昔ならば、常に格式高く上品に、そして重々しくふるまうのが高貴な女人の責務だと言われてまいりました。それなのに、私のお仕えするご主人さまときたら。あ、申し遅れました。私、女三の宮付きの女房で、小侍従と申します。宮さまの乳姉妹でございまして、幼い時からずっとお仕えして参りました。そんな主人へのグチをお聞かせして恐縮なのですが、ウチの宮さまのユルさといったら、身分は超一流でも性質は二流以下、よくもまあ、これほど幼稚なことよと周囲の女房がイライラするほどの感性のなさ。ご身分にふさわしい威厳のカケラも見えず、ただそこに大きな人形が座っているかのような…そんなのですから格下の柏木さまに押し切られてしま…