リルはまたイザール候に呼び出された。今回は用件が分かっている。プリムローズを守るということを口実にして、ラークの従者を叩きのめした。相手はイザール候の息子であるラークの従者だ。咎められることは、やる前から分かっていた。分かっていたが、黙って見ていることが出来なかったのだ。 はたして処分はどのようなものになるのか。これを考えながら母屋にあるイザール候の執務室に向かったリルだったが。 「……えっと……それが罰ですか?」 「罰? 何を言っている? 私はローレルの従者を……ま、まあ、そう思う気持ちは分からないでもない」 イザール候に命じられたのはローレルの従者を務めること。これがラークの従者を傷つけた…