カラスの鳴く声がした。嫌な予感がした。 恐る恐る振り返ると、黄色。 どこまでも続く黄色。 黄色というのは恐ろしいもので、何かに差し色として入っている場合はリズミカルで幸福の匂いがする。 でも、ひたすら黄色が続く世界は、絶望だ。 私の本能は状況を飲み込むよりも早く絶望を悟った。 風がない黄色の街をひたすら、歩き続けた。 景色は変わっているようで、変わらない。 目はつむったまま。 太陽の光が瞼を通じて黄色になるのに吐き気を催しながらも、逃げるように、求めるように歩き続けた。 スズメの鳴く声がした。風の匂いがする。 ぼんやり開く視界に映るのは、 天井。光。毛布。手。 急いで枕元のiphoneに手を伸…