文芸評論家。1948年4月1日、山形県生まれ。 東京大学文学部仏文学科卒。国立国会図書館勤務を経て、現在明治学院大学国際学部教授。 主な著書に『アメリカの影』『日本風景論』『「天皇崩御」の図像学』『言語表現法講義』『敗戦後論』『加藤典洋の発言』『可能性としての戦後以後』『戦後的思考』『日本の無思想』』『日本人の自画像』『ポッカリあいた心の穴を少しずつ埋めてゆくんだ』『テクストから遠く離れて』『小説の未来』などがある。
など多数。
内田樹氏の交友関係を知っておくと、教科書の内田樹の文章が読みやすくなるのではないかと思って、内田氏のブログをまとめておく。 加藤典洋氏について 加藤氏の「語り口の問題」について その他の交友関係 加藤典洋氏について 『敗戦後論』加藤 典洋 | 筑摩書房 で有名な 加藤 典洋 (Norihiro Kato) - マイポータル - researchmap (故人)と内田氏は交流有り。 4月19日 - 内田樹の研究室 によると、加藤典洋と書評で出会ったという。 加藤氏は ウチダ先生最後の講義完全収録!『街場の文体論』内田樹 | 文春文庫 第11講に「野蛮人の会」のメンバーとして登場。 加藤氏の 僕が…
戦後入門 (ちくま新書)作者:加藤典洋筑摩書房Amazon■なにしろ約600頁超の大著なので、今年中に読み終えるかどうかと思ってましたが、読み始めると引き込まれますね。読み応えがあります。しかも読みやすい。読了すると、満足感も大きい。著者の書きぶりによるところが大きいと思う。著者はもともとこの歴史分野の専門家ではないので、逆に読みやすくなっていると思う。学者ではなく、文芸評論家としての思考であり、書きぶりゆえに。後の『9条の戦後史』は遺作で、最終的な編集調整をする前に作業ができなくなったので、本来ならもっと整理されて、すっきりしたものになったはずだった。本書を読むと、やはりそう感じる。■いちば…
■趣味のブログなので基本的にあまり政治的な記事は書かないようにしているところですが、最近立て続けに読んだ本で、すっかり啓蒙されてしまったので、備忘として記録しておこうと思います。■まず矢部宏治の企画した戦後史再発見シリーズをいくつか読みました。これは衝撃的でした。太平洋戦争で敗北した日本は、いまも米国の属国であることを、機密解除された米国公文書から明かしてゆく、説得力抜群の著作群です。まさに目から鱗が何枚も落ちる経験でした。昔は確かにそうかもしれないけど、経済発展も遂げて、今は違うでしょと、なんとなく思い込んでいたけど、戦勝国が若い国民(兵士)の血で贖った敗戦国に対する破格な特権は、容易に手放…
ξ 心的なものを、意識的なものと無意識的なものに区別することは、精神分析の大前提である。 この区別に基づくことで精神分析は初めて、心的な生において頻繁にみられる重要な病理学的なプロセスを理解し、科学の枠組みにおいてこれを分析する可能性を確保できるのである。 言い換えると、精神分析では、心的なものの本質は意識のうちにはないと考えている。・・・ 哲学的な素養のある多くの読者にとっては、意識的でない心的なものという理念は非合理的で、基本的な論理法則に反するものと思われるだろうし、理解しがたいものであろう。 しかし読者がそう思うのは、病的なものは別として、催眠術と夢の諸現象を研究したことがないためであ…
読んだ本 加藤典洋『人類が永遠に続くのではないとしたら』講談社学芸文庫 (2024) 松岡正剛/ドミニク・チェン『謎床』晶文社 (2017) 門井慶喜『文豪、社長になる』文藝春秋 (2023) エドマンド・バーク『崇高と美の観念の起源』みすず書房 (1999) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 日記 落合陽一氏と植松伸夫氏との対談が面白かった。 なぜ最近のゲーム音楽は新星が生まれてこないのか。 パイオニアの植松伸夫氏が語った。 www.youtube.com 財閥には三菱、三井、住友などあるが、ゲーム音楽に例えるならば、それは植松伸夫、すぎやまこう…
「もうひとつのブログ」に、新しい記事をアップしました。 これは 劇的に変化する共同体と、心地よく安定した共同体で、「二重」に生きること その2/2 の続きです。 yusakumf.hatenablog.com
これは 劇的に変化する共同体と、心地よく安定した共同体で、「二重」に生きること その2/2 の続きです。 ξ 資本制社会の劇的な変化に対して、「二重の層」となり得るほどの、晴れがましさと心地よい緊張をもたらす安定がほとんど失われた20世紀末 その不安と焦燥を打ち消そうとするかのように、精神医療の世界にカウンセリング・ブームが起こりました。 心を取り扱うこと、心をコントロールすることが自分に対しても他者に対しても「万能感」をもたらす魅力が大きかったようです。*1 「心理学化」の海を離れる ξ 自己免疫疾患による闘病生活で一番困ったのは、寝たり起きたり、杖をついたりのまったく自由にならない身体と、…
テクストから遠く離れて (講談社文芸文庫) 作者:加藤 典洋 講談社 Amazon いまさらながら加藤典洋の『テクストから遠く離れて』を読みだす。こちらも噂、いやそれ以上におもしろい。 とかく人は、思想、文学、音楽など新しいものをありがたがるが、ほんと、それでいいのかと。なら古いのはダメなのかと述べる作者。思想や主義を紅茶キノコやタピオカなどとといっしょくたに流行扱いしていいのかと。 「テクスト論の致命的な弱点がここにある。それは、ポストモダン思想とりわけポスト構造主義の思想一般と同様、他の思想、他の批評理論の価値を否定し、これを相対化することは得意だが、自分から新しい普遍的な価値、批評原理を…
岩波書店、2019年。 書籍目次 僕の本質 Ⅰ 大きな字で書くこと 斎藤くん 大きな字で書くと 井波律子さんと桑原『論語』 森本さん 日本という国はオソロシイ 船曳くん 父 その1 父 その2 父 その3 父 その4 父 番外 多田謡子さん 橋本治という人 青山 毅 中原中也 その1 中原中也 その2 中原中也 その3 ブロックさん 寺田透先生 安岡章太郎さん はじめての座談会 カズイスチカ 久保卓也 森嶋通夫 秋野不矩さん 私のこと その1――バルバロイ 私のこと その2――東京のおばさん 私のこと その3――勇気について 私のこと その4――事故に遭う 私のこと その5――新しい要素 私の…
読んだ本 引用元:版元ドットコム ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー メモ なし ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 日記 不確実性の世界において、大数の法則 (試行回数が限りなく多くなると統計的に確率が算出されるものに近似する) のようにはいかない、大きな災害 (原発事故など) リスクを抱えるこの世界において、我々は何をするべきなのか、という問題提起のもと本書は進む。 著者は「近代二分論」 という案を提出する。 世俗的な言い方に直せば、「成長派 / 脱成長派」 である。 問題点として、両者は対話ができないこと…