1972年、長野県生まれ。立命館大学文学部准教授。専攻は人文地理学。
富山大学人文学部卒業。大阪市立大学大学院文学研究科後期博士課程修了。流通科学大学商学部講師・助教授を経て、2006年4月より現職(2007年より役職名称変更)。
『呉花街案内』に関するコラム。従業員の女性426人分の個別データが掲載されている所が最大の史料的価値であるとしている。 『呉花街案内』とは 呉市で1935(昭和10)3月から5月にかけて開催された「国防と産業大博覧会」の会期に合わせて発行されたB6の書籍。タイトルに示されるごとく「花街」をクローズアップした異色のガイドブック。 歴史的意義 呉のみならず近傍の音戸、広、そして吉浦の紹介もあり、それぞれの花街の歴史や当時の概況を知ることができる。 「呉市の料理屋案内」ならびに「呉市の旅館案内」 市内の主要な料理屋と旅館の立地を復元する上で、大いに参考になる。 料理屋案内の方には「呉藝妓協同組合関係…
軍港都市には遊興空間が存在し、そこは消費の局面では空間的に分化しており、海軍の社会性が刻み込まれていた。 はじめに 第1節 軍港都市の遊郭 (1)『全国遊郭案内』における軍港都市 (2)遊郭の立地と景観 (3)私娼街の問題 第2節 軍港都市の花街 (1)遊郭との比較から (2)海軍士官の不文律 (3)海軍と料亭 (4)Sプレイとストップ 第3節 遊興の空間的分化 地理的には一体性を有する軍港都市呉の遊興空間 消費の局面では職種や位階に応じて差異化・分化する軍港都市呉の遊興空間 おわりに はじめに 軍港都市の定義 鎮守府ならびに海軍工廠の設置を端緒として、固有の空間編成が生産された、軍事に特化し…