1960年、埼玉県大宮市生れ。歴史学者(日本近現代史)。戸籍名・野島陽子。
桜蔭学園高校を経て、1983年、東京大学文学部卒、1989年、同大学院人文科学研究科退学。
山梨大学教育学部専任講師(1989年)、同助教授(1991年)を経て、1994年より、東京大学文学部准教授。
この間、1992年〜1993年、文部省在外研究員として、スタンフォード大学東アジアコレクション、ハーバード大学ライシャワーセンター訪問研究員。
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この国のかたちを見つめ直す 作者:加藤 陽子 毎日新聞出版 Amazon こんにちは。 Twitterに加藤陽子さんのご著作について流れてきたので、「積読」状態のものを読んでみようと思いました。以下は「honto版」によります。「はじめに」に目を通して、今回は目次を転写したあと、1月21日(日)以降第一章に入ろうと思います。 目次 はじめに 第1章 国家に問う 今こそ歴史を見直すべき 第2章 震災の教訓 東日本大震災10年を経て 第3章 「公共の守護者」としての天皇像 天皇制に何を求めるか 第4章 戦争の記憶 歴史は戦争をどう捉えたか 第5章 世界の中の日本 外交の歴史をたどる 第6章 歴史の…
こんにちは。 23/12/16(土)東京女子大学で開催された、第23回丸山眞男文庫記念講演会に参加できました。以下の文は、その「印象記」に過ぎず、「まとめ」「要約」、「講評」などでは決してありません。その点をお含みいただいたうえでお読みくださいますと幸いです。 A4で4ページにびっしりと印字されたレジュメに沿って、講演は90分近くに及ぼうとしていたと思いますが、その何分を理解できていたか、心許ありませんが、書いていくこととします。 以下、ランダムに綴っていくことにしますが、便宜上連番を割り振っています。なお、「 」でくくっているところがあるとはいえ、それは加藤さんのご発言を、逐語的に再現したも…
『戦争まで 歴史を決めた交渉と日本の失敗』/加藤陽子/朝日出版社/2016年刊 今の若い人たちはもっと怒ったほうがいいと、先日ある年長者に言われて、さて、と考え込んでしまった。とうに四十を過ぎている私を指してのことだったかどうかはともかく、私だってここ十年くらいの政府・官邸のやり方には頭にきている。でも、怒りという感情を発露すると、自分でもどこに向かうかわからない、経験的に。それでも怒りを、怒りとして表出するべきなんだろうか? 国政というものに国民の一人としてどう参加したものか、わからなくなったときに読みたくなるのが『戦争まで 歴史を決めた交渉と日本の失敗』。著者によると、世界が日本に「どちら…
番組、ご覧下さった方々、ありがとうございます。 とても反響が大きくて、やってよかった〜と思っています。 収録が8時間だったと驚かれる方もいるようですが、 「普通です」というか、 映像作品を作るというのは、そういうものなのです、と申し上げておきたい。 私はドキュメンタリーも作っていますが、1年間取材することもよくあることですし、 映画では、200時間撮影して、2時間のものを作ったりしています。 ドキュメンタリーとトークを一緒にするな!というご批判もありましょうが、 通常の「100分de名著」でも、一話25分を撮影するのに、2時間近くかけてますから、 今回、特別収録時間が長かったわけではないです。…
あけましておめでとうございます。 演出番組が明日(1月2日)に放送になるのでお知らせします。 『100分deフェミニズム』 1月2日(月)夜10時〜 NHK Eテレ 出演は、上野千鶴子さん、加藤陽子さん、鴻巣友季子さん、上間陽子さん。 司会にバービー(フォーリンラブ)さんとNHKアナウンサーの安部みちこさんです。 企画を思いついたのは2019年の冬でした。 友人であり、力のあるディレクターの羽根井信英氏が『100分deナショナリズム』を作っていると聞いて、これは見なければ!と思いました。司会は稲垣吾郎さんでした。 放送は2020年のお正月。 新年早々、攻めてる番組だなーと思いながら、ナショナリ…
ブログを引越し、そして久しぶりの更新です。引越も更新も間が空いたのは、まず私自身の情けない体調のせいで、長いこと体調不良に苦しみ、僅かな仕事しかできなかったこと。今回はその病床で読んだ本の紹介です。遅れた理由はもう一つあって、憲法改正の話がちっとも進まないからだ。この政権は、思うに危ない遊戯を覚えた。何も憲法を書き換えなくても、好き放題、法律を作ることができる。近ごろの働き方改革、上水道、漁業、そして倍増といってよい防衛費を含む予算案。肝腎の改憲については、かつて「スケジュールありきではない」と彼が言っていたとおり、スケジュールありきが決まり、2020年施行だそうだ。来年の2019年は、そこに…
・亀田俊和氏の勤務先への抗議などは、絶対にやめて下さい。宜しくお願い致します。 ・初めて当エントリーを読まれる方は、亀田俊和 - Wikipediaの他、以下の「呉座勇一事件(呉座騒動)」に関する記事などの、ご一読をお勧め致します。 kensyoiinkai.hatenablog.com kensyoiinkai.hatenablog.com kensyoiinkai.hatenablog.com kensyoiinkai.hatenablog.com www.asahi.com www.asahi.com www.dailyshincho.jp bunshun.jp bunshun.jp g…
【連続投稿913日目】 「それでも日本人は戦争を選んだ」(加藤陽子著 新潮文庫 2016年) https://www.amazon.co.jp/%E3%81%9D%E3%82%8C%E3%81%A7%E3%82%82%E3%80%81%E6%97%A5%E6%9C%AC%E4%BA%BA%E3%81%AF%E3%80%8C%E6%88%A6%E4%BA%89%E3%80%8D%E3%82%92%E9%81%B8%E3%82%93%E3%81%A0-%E5%8A%A0%E8%97%A4-%E9%99%BD%E5%AD%90/dp/4255004854 東大教授の加藤陽子さんが、栄光学園の生徒に日…
【連続投稿911日目】 大学受験は日本史を選択しました。明治時代以降の近現代史、もっと言えば戦後以降70年代くらいまでの歴史が好きだったのが理由です。20年以上前、当時の日本史は、戦後史の取り扱いは少なくせいぜい池田勇人の所得倍増計画くらいまでしか出ませんでした。 今の受験事情はわかりませんが、センター試験を見ているといまだに日本史、世界史と分かれているようですね。 社会人になって、つくづく思うのは、日本史や世界史という歴史は存在しないということです。あくまでも歴史はひとつ。世界の動き抜きに、日本で起きていることを語れるわけではありません。 1543年鉄砲伝来、1549年キリスト教伝来、だけを…
朝、可燃ゴミを出しに外に出たら、雨は止んでいた。山鳩が鳴いている。 ふと、今日は、父親が病院に行く日だったことを思い出した。施設では父親との面会がままならないが、病院では落ちあえるので、楽しみにはしていた。 家のカレンダーには、あれこれ今後の予定が書いてあるが、そういうのを見るたびに、「本当は今日は……する日だった」と思い起こすことになるのかと、ちょっとしんみりしてしまった。葬儀まではまだ少し間がある。 朝日新聞デジタル8月15日付記事に、長谷部恭男さん(憲法 早稲田大教授)、杉田敦さん(政治理論 法政大教授)、加藤陽子さん(日本近現代史 東京大教授)の鼎談があり、興味深く読んだ。 加藤さんは…
・亀田俊和氏の勤務先への抗議などは、絶対にやめて下さい。宜しくお願い致します。 ・初めて当エントリーを読まれる方は、亀田俊和 - Wikipediaの他、以下の「呉座勇一事件(呉座騒動)」に関する記事などの、ご一読をお勧め致します。 kensyoiinkai.hatenablog.com kensyoiinkai.hatenablog.com kensyoiinkai.hatenablog.com kensyoiinkai.hatenablog.com ・当ブログへのご意見、ご感想及び情報提供などにつきましては、下記のメールアドレスまでご連絡下さい。場合によっては、謝礼等も前向きに検討致します…
Book Review 9-27 医療 #感染症の歴史学 『#感染症の歴史学』(飯島渉著)を読んでみた。著者は青山学院大学文学部教授で、専攻は医療社会史、感染症の歴史学が専門。 本書の目的は、新型コロナのパンデミックを歴史化する試みとある。本書で扱うのは4つの感染症で、新型コロナ、天然痘、ペスト、マラリア。はじめに21世紀になってから流行したSARS (2002-2003年)、新型インフルエンザ(2009年)、MERS(2012年)を振り返る。 新型コロナを含めてこれらの感染症は、開発によって生態系への介入が進んだことによって引き起こされた「開発原病」であるとしている。この視点で描かれているも…
歴史の本棚作者:加藤 陽子毎日新聞出版Amazon 歴史書の読書案内。「国家(14冊)」「天皇(4冊)」「戦争(10冊)」「歴史(14冊)」「人物と文化(15冊)」の5カテゴリに分けて紹介されている。 歴史に疎いので書評の半分ぐらいは理解できていないが、それでも、専門的に掘り下げた書評であることが分かるし、読みたくなるような紹介文だった。
新潮社の夏の文庫フェアの小冊子「新潮文庫の100冊 2018」で紹介されていた本の一覧。 冊子表紙には「この感情は何だろう。」の言葉。 「恋する本」「シビレル本」「考える本」「ヤバイ本」「泣ける本」のジャンルに分けて紹介されています。
はてなブログさんから1年前の記事が送られてきました。 1年前の記事[1165]は学術会議任命拒否問題でした。2024年2月21日の朝日新聞によれば、任命を拒否されている加藤陽子東大教授、宇野重規東大教授をはじめとした6人が原告となって任命拒否に関する文書の開示を国に求める訴訟を起こしました。 原告となっている学者たちは、任命拒否の根拠や理由を繰り返し質して来ましたが、政府は未だに明らかにしていません。 学術会議委員の任命について菅政権の政治的介入があったことを明らかにさせなければなりません。 1年前を振り返ってみます。 2023/02/19 [1165]学術会議に選考諮問委員会案 - ◼新型コ…
◎今日のお昼の「大下容子ワイド!スクランブル」、ゲストの加藤登紀子さんが「ウクライナ侵攻2年平和への思い曲に込め」と題して「百万本のバラの花」に込められた自由への想いを語っていました。元々は、ジョージア出身の画家ニコピロスマニがモデルで、フランス人女優が滞在するホテル前広場を花で埋め尽くした悲恋逸話に基づく歌だったとのこと。私の年代だと、ジョージアよりグルジアの方が馴染があります。 加藤登紀子さんのお話だと、帝政ロシアが東の果てに創った街ハルビン生まれで、戦後引き揚げて父親がロシア料理店を開き、そこへロシア人が集まってという環境だったそうです。ソ連時代から、この歌が自由を求める歌となる過程が、…
4年前の、日本学術会議の会員人事をめぐり当時の菅総理大臣から任命されなかった6人の大学教授や、支援する法学者らが「拒否の理由を明らかにしないのは違法だ」として国に文書の開示などを求める訴えを起こしました。 東京地方裁判所に訴えを起こしたのは、4年前に日本学術会議の会員に任命されなかった6人の大学教授や、支援する法学者、弁護士など合わせておよそ170人です。 当時の菅総理大臣が、日本学術会議から新しい会員の候補として推薦された105人のうち6人を任命しなかったことを受け、大学教授らは内閣府などに関係する文書の情報公開請求をしましたが、任命拒否の理由や経緯が分かる文書は「存在しない」とか「円滑な人…