生まれつき視覚障害を持つ私は、 幼い頃から点字ブロックに支えられて生きてきた。 街を歩き、学校に通い、友達と遊ぶ。 全て点字ブロックが私の道標だった。 しかし、ある日、 点字ブロックのない世界にたどり着く。 ここは、想像以上に暗闇だった。 点字ブロックが途切れた途端、私は立ち尽くしてしまう。 目の前に何があるのか、どこへ進めばいいのか、 何も分からない。 私は不安と恐怖に襲われた。 一人で歩くことすらままならない自分が、 生きていくことができるのか。 すると私の頬を冷たいものが流れた。 途方に暮れていたその時、 優しい声が聞こえた。 「困っているの?どこに行きたいの?」 幼い女の子の声だった。…