黒田寛一の哲学をわがものに6-4 松代=北井が黒田の「商品論」に嚙みついて、自分の解釈を対置し始めた。そうすることによって、己の思想=理論の貧困性を自己暴露した。 その最大の問題は、以下のとおりである。1、2については十分ではないけれどすでに私が論じてきた点であり、改めてここで論ずる必要性はないであろう。ここでは3を中心に松代=北井を批判する。 1 『資本論』冒頭の始原的商品についての規定を不問にしている、ということである。 始元的商品とは、「直接的には労働力商品であり、媒介的には同時に、この労働力商品の担い手である賃労働者=プロレタリアの生産した「資本としての生産物」たる資本制商品である」と…