今年最後の歌舞伎観劇となった歌舞伎座第二部。入りは一部・三部程ではなかったが、それでも九分近く入っていたであろうか。個人的にはこの二部を今月一番の楽しみにしていたのだが、どうも筆者の好みと世間一般の嗜好は異なる様だ(苦笑)。今年も歌舞伎座の全公演を観る事が出来た。今年の個人的な歌舞伎ベスト10はまた項を改めて綴るが、幾つも印象に残る芝居があった。まぁそれを思い出す為の手づるにする事が、本ブログの趣旨なのだが。 幕開きは『盲長屋梅加賀鳶』から「加賀鳶」。黙阿弥作の傑作世話狂言である。今年は本当に黙阿弥イヤーであったと云う印象。ここ二十年位は、高麗屋と音羽屋と云う大名題二人が中心となって上演されて…