戦前にブラジルへ渡った日系移民の間で、日本が敗戦した後もその「負け」を認めず「勝っている」と主張する人と、「敗戦」を事実として受け容れる人を、それぞれ「勝ち組」と「負け組」と言う風に区別し、抗争したことから。抗争は「勝ち組」が優勢になり、「負け組」を迫害した。職場追放・リンチ・暗殺などの迫害は今もなお日系ブラジル移民史の汚点とされる。
時代は下り、1990年代に日本でバブルがはじけると「グローバリゼーション」「世界標準」「大競争時代」「自然淘汰」「市場原理」などの言葉が鼓吹された。主として経済的な問題を語るときに、それらの「結果」として、そうした厳しい状況でも生き抜いて行ける業種・企業を「勝ち組」、淘汰され潰れる運命にある業種・企業を「負け組」と経済学者や評論家が言い始めた。
さらに「個人レベル」まで下りて、企業の中で生き残れる人とリストラの対象になる人といった意味合いでも使われる。