原爆を開発した物理学者ロバート・オッペンハイマーの栄光と没落を描いた映画。180分の大作である。今年のアカデミー賞作品賞等の受賞作でもある。 【人物】 オッペンハイマーは、ユダヤ系のアメリカ人。ハーバード大学で化学を学び、ケンブリッジ大に留学。ニールス・ボーア教授の知遇を得て、理論物理学に進み、ドイツのゲッティンゲン大学で博士号を取得。若くしてカルフォルニア工科大学の教授となり、理論物理学を研究し、宇宙物理学で星の終焉やブラックホールの研究などしていた。 英語のほか、ドイツ語やオランダ語などいくつもの言語を使い、サンスクリット語まで読みこなした。文学書やフロイトやユングなどの深層心理学、マルク…