久し振りのブックレビューです。今回は新刊書(といっても今年の夏に上梓された本ですが)をご紹介します。「すばらしい人体」は、医学を中心とした科学の面白さと驚きに満ちた本です。冒頭に掲げられた「医学はサイエンスに支えられたアートである(ウィリアム・オスラー)」の言葉そのものです。著者の山本氏は、2010年に京大医学部を卒業した若きドクターで、消化器外科や感染症専門医であり、同時に人気医療情報サイト「外科医の視点」を運営しています。 人体という、最先端科学でも到底追いつくことが出来ない、精巧な創造物に対する純粋な驚きと好奇心が、文中からあふれ出してきます。人間の脚一本の重量は約10キロ、腕の重さは4…