正福寺(滋賀県甲賀市/臨済宗妙心寺派) 滋賀県甲賀市の正福寺。聖徳太子開基と伝え、平安以降は天台宗寺院として栄えた。1572年元亀・天正の乱で七堂伽藍を焼失するも、江戸時代初期、寛文年間に、実堂大和尚により臨済宗妙心寺派として再興。 令和の今、正福寺の禅寺らしい静謐な境内に、天台宗だった頃の貴重な平安仏が残る。特に、秘仏十一面観音菩薩立像は、霊木から現れたかのような尊いお姿で、とてつもなく引き込まれてしまった。木の中にみほとけを感じられた時代にのみ彫り出すことができる尊像だと思う。可愛らしくも、神々しい。神々しいのに、可愛らしい。私にはとんでもなく魅力的なのだ。毎年8月10日午前中に拝観できる…