封切り三日目。 席数118の【シアター5】の入りは三割ほど。 その島を初めて訪れた作家が、その大きさに驚き、小説に書き残している。 作家の名前は『太宰治』、小説のタイトルは〔佐渡〕。 まぁ無理もない。東京23区よりもなお大きい面積の島が日本海にぽっかりと浮いているのだから。 古くは『順徳天皇』や『世阿弥』『日蓮』が流され、江戸時代は幕府の屋台骨を支える黄金の産出地として栄え、最近では天然記念物である朱鷺の最後の生息地となり、今では世界遺産への登録を目指す。 が、一方で、『曽我ひとみ』さんの北朝鮮への拉致で知れ渡った通り、浜辺で遅くまで独りで遊んでいると攫われるぞ、と親から戒められたとの話を、島…