本誌創刊から45号まで連載された「ホツマツタヱ」現代訳を、読み易く物語風に仕立て直した三分冊の第一冊目が、かざひの文庫という新進気鋭の出版社から刊行されました。「八十続五十橿八桑枝の如く」と祝詞でも永続の聖数とされる80号を刊行した本誌。その暁に生まれ落ちた希望の嬰児と言えましょう。 本書が画期的である所以は、斯界の第一級研究者である今村氏がその蓄積された解釈能力を駆使して、しかもそれを「専門書」としてではなく「読み物」として構成したところにあると思います。 簡潔ゆえに美しく難解で、掛詞が多用されるゆえに含蓄に富み、時代と舞台の転換が唐突ゆえに劇場的臨場感を今に伝えるのが、ホツマツタヱの原文で…