瀬織津姫(せおりつひめ)は記紀には登場しない神なので、普段はあまり聞かない名前だし、聞いたことがあるとしても、その実像までは分からないと思う。 大祓詞 瀬織津姫の名が認められるのは、大和朝廷の儀式において祭祀を司る中臣氏が、参集者の前で読み上げたとされる祝詞(のりと)の中においてである。大祓(おおはらえ)といって、毎年6月と12月の晦日に行われた清めの儀式で、その六月晦大祓祝詞の中に四柱の祓戸神があり、そのトップに登場するのが瀬織津姫である。 ほかにも神道五部書や『秀真伝』にも名が記されていて、瀬織津姫を祭神とする神社も存在してはいる。 これらのうち大祓詞(おおはらえのことば)の起源はかなり古…